南風見田の浜は、八重山諸島の西表島に位置する美しいビーチです。西表島を周遊する県道の南側終点から更に進んだ場所に広がり、2kmにも及ぶ長い真っ白な砂浜が特徴的です。このビーチからは、日本最南端の島・波照間島を望むことができ、その風景に見入るだけで心が落ち着きます。遠浅な海岸線はリーフに囲まれており、波も穏やかで、海水浴やシュノーケリングに最適な環境です。
特にビーチの東側には「忘勿石(わすれないし)ハテルマ シキナ」と刻まれた石があります。これは戦時中にこの地で亡くなったマラリア犠牲者を追悼し、その惨事を忘れないようにという意味を込めて、波照間国民学校の校長によって刻まれたものです。太平洋戦争末期、波照間島から強制疎開させられ、マラリアによって多数の死者が出たという歴史を胸に刻んだこの石は、その重みと共に訪れる人々に心に深い感銘を与えます。
観光客にもおすすめのこのビーチは、天然の美しさに溢れています。遠浅な海岸線はシュノーケリングよりも散策やビーチコーミングを楽しむのに適しており、波に打ち上げられた貝殻やサンゴのカケラを拾ったり、漂着物を見つけたりすることが楽しいスポットです。心温まる海辺でのひとときを過ごすことで、訪れる人々にとって特別な思い出となることです。